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3Dゲノム:ネッタイツメガエル(Xenopus tropicalis)ゲノムの3次元折りたたみ動態

Nature Genetics 53, 7 doi: 10.1038/s41588-021-00878-z

動物の間期染色体はトポロジカルドメイン(TAD)に編成される。TADが形成される仕組みは完全には理解されていない。本論文では、ネッタイツメガエル(Xenopus tropicalis)胚におけるTAD動態についての手掛かりを得るために、Hi-C(ハイスループット染色体コンホメーション捕捉)法と遺伝子サイレンシングを組み合わせて解析した。第一に、ネッタイツメガエルにおけるTADの確立は、マウスやハエと同様であり、また、接合子ゲノムの転写活性化に依存しない。この過程に続いて、活性なクロマチン区画と抑制性のクロマチン区画に加え、ループ構造やストライプ構造の出現がさらに精緻になる。第二に、TAD内において、境界の一方の端での自己相互作用頻度の上昇は、構造タンパク質であるCTCFおよびRad21のDNA占有の上昇を伴う。第三に、de novoのTAD形成にはクロマチンリモデリング因子ISWIが必要である。最後に、TAD構造は組織が異なると変化する。我々の研究から、ネッタイツメガエルが染色体構造解析の強力なモデルであることが示され、クロマチンリモデリングがde novoのTAD確立において不可欠な役割を担っていることが示された。

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