Technical Report
顔解析:PhenoScoreは機械学習フレームワークを用いて顔解析と他の臨床的特徴を組み合わせることで、希少な遺伝病の表現型の違いを定量化する
Nature Genetics 55, 9 doi: 10.1038/s41588-023-01469-w
遺伝子型と表現型の相関を明らかにする分子的アルゴリズムと表現型アルゴリズムは、顔認識ツールを含め、複数存在している。しかし、個人の顔データと他の表現型データの両方を直接調べる一元化されたフレームワークはまだ存在しない。我々は、人工知能を使ったオープンソースのフェノミクス手法であるPhenoScoreを開発した。PhenoScoreは、顔認識技術とヒト表現型オントロジーデータ解析を組み合わせて、表現型の類似度を定量する。本論文では、40の症候群についてPhenoScoreを適用したところ、神経発達障害を持つ人で観察されたいろいろな臨床的特徴に対して、37の症候群を識別できる表現型を確立し、これは既存の方法よりも優れていることを示す。PhenoScoreは、意義不明のバリアント(VUS)を持つ人に対して予測を提供するとともに、可能性のある表現型(サブ)グループに対して仮説を検証することで、高度な遺伝子型–表現型研究を可能にする。PhenoScoreは、SATB1、SETBP1、DEAF1に関して、同じ遺伝子の異なるバリアントが関与する既知の表現型サブグループを確認でき、ADNPに関しては、既に機能的に確立された2つの関連表現型についての客観的な臨床的証拠を導いた。