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高分子微小球が心臓病の薬を運ぶ

Nature Materials

2008年10月20日

Straight to the heart

Nature Materials

心臓病治療のための新種の非炎症性薬物送達担体が、今週のNature Materials(電子版)で報告されている。M Davisらは、一連の条件下で「高分子マイクロスフィア(微小球)」が有用な薬物輸送形式となる可能性があることを示している。

多くの高分子系薬物送達材料は体内で分解し、標的組織で局所炎症を引き起こす酸性の副生成物を形成する。心臓発作後の心機能障害などの炎症性疾患の治療において、この炎症は組織の回復に悪影響をもたらす。

Davisらのチームは、既知の薬物が封入された高分子マイクロスフィアが直接心臓に注射できること、並びにその高分子の分解生成物が中性かつ非炎症性であるため、既に炎症を起こしている部位を悪化させないことを示している。また、今回の心機能障害治療法が優れているのは、封入された薬物が高分子粒子から制御性よく放出されることであり、数日間にわたって持続的に薬物が罹患部位に放出される。これに対して、その高分子を用いずに薬物を直接注射した場合、そのような有益な効果はみられなかった。

分解生成物が非炎症性である高分子送達担体は、肝臓、肺、腸といった他の臓器の炎症性疾患にも応用できるかもしれない。

doi: 10.1038/nmat2299

英語の原文

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