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モルヒネのベールをはぐ

Nature Chemical Biology

2010年3月15日

Morphine demystified

Nature Chemical Biology

植物のモルヒネ生産に必要な2つの未知の酵素が、Nature Chemical Biology(電子版)で発表される。今回の知見により、この重要な鎮痛剤およびその類縁物質の大量生産が可能になると考えられる。

モルヒネは、ケシ植物体中で多段階の反応によって生成するが、2つの「脱メチル化」反応(分子からメチル基(CH3)が除去される)を触媒するのに必要な酵素が明らかにされていなかった。今回、J HagelとP Facchini は、酵素を発見するための出発点として、変異植物体を利用した。意外にも、同定された2つの酵素は、後生学的に重要な役割を担うジオキシゲナーゼという酵素群に属している。

今回の発見により、この重要な薬物の生合成経路が完全に明らかにされ、バイオ技術的戦略で、モルヒネ生産を最適化するとともに、その経路をコデインやオキシコドンなどの類縁物質に振り向けることが可能になると考えられる。

doi: 10.1038/nchembio.317

英語の原文

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