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【惑星科学】冥王星の衛星カロンの極冠が赤くなった理由

Nature

2016年9月15日

Planetary science: How Pluto’s moon Charon got its red cap

Nature

冥王星の最大の衛星カロンの暗赤色の北極冠は、捕獲ガスによって生じている可能性があるとの研究結果が、今週掲載される。冥王星探査機ニューホライズンズが捉えた画像の解析と氷冠の発達のモデリングによって、こうした極の特徴がどのように形成されたかを説明できる。これまでの推測では、冥王星の大気から逃れたメタンがカロンの北極に捕獲され、赤い物質にゆっくりと変わっていると示唆されていたが、この推測を裏付けるモデリングはされていなかった。

Will Grundyたちは、ニューホライズンズが得たデータによって、カロンの北極周辺の条件でメタンガスが捕獲され化学的に変化する可能性があるかどうかを確定することができた。太陽を巡る冥王星とカロンの既知の軌道を用いた表面環境のモデルは、カロンの北極は極めて低い温度が長期間続いており、冥王星の大気から逃れたメタンを捕獲するのに十分寒かったことを示している。こうした長く寒い冬は100年以上続いていた。さらにこのモデルは、冬の極に太陽光が再び当たるようになると、赤色の化学物質へのメタン生成物の変換が生じるようになることも示唆している。

doi: 10.1038/nature19340

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