注目の論文
結核菌の可視化
Nature Chemical Biology
2011年3月7日
TB in view
ヒト細胞が結核に感染しているときに細菌M. tuberculosisを分析することを可能にする蛍光標識法が存在する。Nature Chemical Biologyで発表されるこの知見は、この恐ろしい病原体に関する研究および結核の治療に寄与する可能性がある。
結核の治療および予防は、開発途上国では特に、依然として大きな医学的課題となっている。診断および治療反応の監視に用いる質の高い結核特異的な分析法の欠如は、特に進歩を妨げている。
結核の原因微生物であるM. tuberculosisは、正常に増殖するとき、「トレハロース」という特定の糖残基を細胞壁に組み込む。この過程は、Ag85A、Ag85B、およびAg85Cという3種類の酵素のいずれかによって制御されている。
今回B Davis、C Barryたちは、この3種類の酵素の活性部位の柔軟性を分析することにより、蛍光色素を備えたトレハロース誘導体がM. tuberculosisの細胞壁に導入されることを明らかにした。この色素により、ヒト細胞に侵入した細菌を検出し、感染を診断することが可能となる。研究チームは、この技術がM. tuberculosisに関する研究の進展につながることを期待している。
doi: 10.1038/nchembio.539
注目の論文
-
12月20日
化学:アルゴリズムは、ウイスキーの最も強い香りと原産地を嗅ぎ分けることができるCommunications Chemistry
-
12月12日
天文学:Firefly Sparkleが初期の銀河形成に光を当てるNature
-
12月10日
Nature's 10:2024年の科学に影響を与えた10人Nature
-
11月21日
化学:光を使って永遠の化学物質を分解する新しい方法Nature
-
10月24日
古生物学:古代サンゴから共生関係の初期の証拠を発見Nature
-
8月15日
考古学:ストーンヘンジの祭壇石はスコットランドを起源としているかもしれないNature