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【材料科学】複雑な形状のガラス構造物を3D プリンターで作る

Nature

2017年4月20日

Materials science: 3D-printed shapes in a glass of their own

Nature

質が高く、複雑な形状(例えば、微小なプレッツェルや城の形状)のガラス物体を標準的な3Dプリント技術で作製したことを報告する論文が、今週掲載される。この手法を用いると、複雑なレンズやフィルターの設計に適していると考えられる高い光学的品質の構造物を作製することができる。

ガラスには、電気絶縁性、断熱性と抜群の光透過性など数々の有用な特性がある。特に溶融シリカガラスのような高純度ガラスを使って特注の構造物を作製することは、高い加工温度と刺激の強い化学薬品が必要なために難度の高い作業になっている。このほど新しい手法を開発したBastian Rappたちの研究グループは、標準的な3Dプリンターに「液体ガラス」と呼ばれる自由流動性のシリカナノ複合材料を使って複雑な形状を作製した上で、熱処理を行って光学的品質の高い溶融シリカガラス構造物を作製することで、こうした問題点を克服した。この構造物は、表面が滑らかで、透明で、数十マイクロメートルの微小な形状まで作り込むことができる。

この新しい製法によって得られる物体の表面の透明度と反射率は、一定範囲の光学的応用にとって十分なレベルに達している。また、この製法は、現在知られる最古の材料の1つを21世紀の3Dプリント技術に生かすためにも役立つとRappたちは結論づけている。

doi: 10.1038/nature22061

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