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【材料科学】高強度合金を3D印刷する

Nature

2017年9月21日

Materials science: 3D printing of high-strength alloys

Nature

高強度アルミニウム合金を三次元(3D)印刷する手法が今週掲載される。

金属系の積層造形(付加製造)、すなわち3D印刷によって、一層ずつ積層させて金属部品を作製することが可能になり、設計の自由度と製造の柔軟性が向上する。しかし、現在、確実に印刷できる合金はほんの一握りである。今日使用されている5500種を超える合金の大多数は、積層造形プロセス中の溶融・固化ダイナミクスのせいで合金材料に周期的な亀裂が発生するため、積層造形で製造することができない。

John Martinらは、積層造形時の固化を制御するナノ粒子を導入することによって、この問題を解決したことを報告している。Martinらは、自動車、航空機、消費者製品への応用に関係するアルミニウム合金を用いて、この解決策を実証した。まず、4500種類以上の合金とナノ粒子の組み合わせを解析するコンピューターソフトウエアを用いて、適切なナノ粒子材料として水素安定化ジルコニウムを選んだ。次に、ガス噴霧法で作製した2種類の球状アルミニウム合金粉末(合金番号7075と6061)を水素安定化ジルコニウムナノ粒子でコーティングし、選択的レーザー溶融法で積層造形を行った。Martinらは、7075粉末材料や6061粉末材料から作製した部品と異なり、ナノ粒子を用いて作製した合金は亀裂の兆候が見られず、鋳造材料に匹敵する強度を示すことを見いだした。

doi: 10.1038/nature23894

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