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【材料科学】磁気によって動的に変形する材料を3Dプリンターで作製する

Nature

2018年6月14日

Materials science: Printing magnetically morphing materials

Nature

磁場をかけると急速に精巧な可逆的変形を起こす軟質材料を作製できる3Dプリント法について報告する論文が、今週掲載される。この技術を用いて作製した材料は、回る、跳ぶ、物体をつかむといったさまざまな有用な動作をすることができる。

熱や光、磁場などの刺激に応答して形状が変化する軟質材料は、フレキシブルエレクトロニクスやソフトロボティクスから生物医学的課題(例えば、薬物送達、生体組織工学)に至るまで、数多くの用途に利用できる可能性を秘めている。また、材料を閉鎖空間で、遠隔操作して動かす必要のある医療用途では、材料を活性化させる刺激として磁場が有望視されている。ところが、現在の作製方法では、単純な形状変化しか起こせない。

今回、Xuanhe Zhaoたちの研究グループは、磁気によって活性化し、1秒とかからないうちに変形する軟質材料を印刷する技術を発表した。この作製方法では、強磁性微小粒子がシリコーンゴムマトリクスに埋め込まれる。Zhaoたちは、3Dプリンターのノズルを磁化して強磁性微小粒子の配列を制御することで、磁場中に置くと領域ごとに異なる変形をする材料を作製することに成功した。この材料は、例えば、ある形から別の形に変化させることもできるし、徐々に磁場を変えることで動的に変形させることもできる。この材料は、弾性材料であるため、磁場を消すと元の形状に戻る。

今回Zhaoたちは、6本足のソフトロボットを作製して彼らの技術を実証した。このロボットにかける磁場を変化させることで、ロボットは、這って進んだり、転がったり、錠剤の薬を運んだり、さらには落ちてくる物体を捕まえて再び放したりすることができた。また、別の設計による第2のロボットは、1つの方向に磁場をかけて折り畳んだ状態にしてから逆の方向に磁場をかけて一気に広げて、水平方向に12センチメートル跳躍することができた。

doi: 10.1038/s41586-018-0185-0

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