注目の論文
【分析化学】Robert Burnsの手稿の真贋を見分ける方法
Scientific Reports
2018年7月27日
Analytical chemistry: Distinguishing Robert Burns’ manuscripts from forgeries
スコットランドの詩人Robert Burns卿が使用したインクと紙の分析が行われ、手稿の原本と偽物を正確に見分けられるようになったことを報告する論文が、今週のScientific Reportsに掲載される。この研究知見は、歴史的手稿の真贋鑑定に応用できる可能性がある。
Burnsの著作物については、発表から今日に至るまでに数多くの偽物が出現している。原本であれば6000~9万ポンド(約90万円~1350万円)の売値がつくと考えられるが、本物かどうか疑わしい手稿がオークションに次々と出品されている。
今回Karl Burgessたちは、質量分析法を用いて、Burnsの本物の手稿のサンプルと優れた技能を有する近現代の贋作家Alexander Howland Smithによる偽物とを比較した。これまでの質量分析法は実験室内で実施される必要があったが、今回の研究で用いられた試料調製法では、手稿が保管されている場所で試料を採取できる。Burgessたちは、侵襲性を最低限にして手稿の表面から試料を採取し、これによってBurnsが使用したインクを分析することができ、Smithが作成した手稿と区別することができた。次にBurgessたちは、質量分析データを使って、Burnsの手稿とSmithの偽物を正確に区別する機械学習法を考案した。
Burgessたちは、この論文に記述された試料採取法、分析法、および機械学習法が、文学作品の真贋鑑定に重大な影響を及ぼす可能性があると考えている。
doi: 10.1038/s41598-018-28810-2
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