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磁性ナノ粒子を利用したがん遺伝子療法

Nature Nanotechnology

2009年8月24日

Silence, please!

Nature Nanotechnology

Nature Nanotechnology(電子版)では、新しい磁性ナノ粒子製剤を使用して、マウスの腫瘍進行を抑制する核酸を送達できることが報告されている。これらのナノ粒子を用いて送達されたがん遺伝子サイレンシングRNAは、市販のナノ粒子を用いて送達したときよりも良好な抗腫瘍効果を示した。この製剤は、さまざまながんの治療に有効な遺伝子送達システムになると期待されている。

がん遺伝子療法の成功は、病気を起こす特定遺伝子をオフにするためにそれらの遺伝子に低分子干渉RNA(siRNA)を効果的に送達できるかに依存している。並木禎尚らは、最適化されたsiRNA配列を担持する磁性ナノ粒子をマウスの血流中に注入した。次に、腫瘍付近の皮膚上に接着された、あるいは皮膚の下に埋め込まれた磁石を用いて、それらのsiRNA担持ナノ粒子を腫瘍に誘導した。最適量を8回注入した後、siRNA(腫瘍血管中の特定遺伝子の発現を抑制するよう設計された)は目的の場所に到達し、腫瘍血管の成長を止めた。研究チームは、有害免疫反応や副作用を伴わずに腫瘍成長が抑制されたことを示した。また、さらなる解析により、遺伝子サイレンシング効果がRNA干渉によるものであることが確認された。

著者らは、この新しい製剤(現在利用可能な磁性ナノ粒子よりも良好な抗腫瘍効果を示す)が、さまざまながん遺伝子療法に利用できる確固たる遺伝子送達システムになりうると考えている。

doi: 10.1038/nnano.2009.202

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