注目の論文
コルチゾンがチャネルをシェイクアップ
Nature Chemical Biology
2008年9月22日
Cortisone shakes up channels
副腎で産生されるステロイドホルモンの一種であるコルチゾンは、意外にも、膜の脱分極および協調的な筋収縮を支えるカリウムチャネルのサブユニットを引き離すことができる。今回Nature Chemical Biology(電子版)に、この種の制御が運動失調や不整脈などの人間の疾患で意味をもっているのかどうかに関して問題を提起するかたわら、将来の医薬品開発のための化学的骨組みをもたらす研究が発表される。
細胞膜は細胞内と細胞外の環境を隔てている。筋収縮に必要な膜内外の電荷分布が変化すると、シェーカー型カリウムチャネルが一時的に開き、カリウムイオンを解放する孔を開けることによって電荷の不均衡を解消する。
M Zhouたちは、構造解析と機能研究を併用し、コルチゾンがチャネルのサブユニットの間に結合してこれを引き離し、チャネルを開放させることを明らかにした。ほかのタンパク質間相互作用を阻害する小分子はほとんど同定されておらず、チャネルのサブユニットを解離させるホルモンの発見は予期されざるものであった。
doi: 10.1038/nchembio.114
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