注目の論文
統合失調症治療薬の効果を改変
Nature Neuroscience
2012年8月6日
Modifying responses to antipsychotic drugs
統合失調症治療薬を長期にわたって用いる治療は、DNAに巻きついているヒストンというタンパク質の修飾を誘導し、治療薬の効果を妨げる可能性がある。マウスを用いたこの研究結果は今週のNature Neuroscience誌オンライン版に発表され、ヒストン修飾を阻害すれば薬の効き方を改善できる可能性が示唆されている。
Javier Gonzalez-Maesoらは、統合失調症治療薬を長期間投薬したマウスではヒストンが修飾された結果、前頭皮質のグルタミン酸受容体の発現低下が起こっていることを報告した。またグルタミン酸受容体の減少に伴い、統合失調症様行動が増加した。マウスにこのようなヒストン修飾を阻止する薬を投与すると、これとは逆の効果があった。
以前の臨床研究で、統合失調症治療薬をバルプロ酸(ここで問題としているヒストン修飾を防ぐ効果が知られる)と併用すると、統合失調症治療薬の治療効果が高まることがわかっている。今回の研究結果は、バルプロ酸(およびヒストン修飾を標的とする他の薬)が統合失調症治療薬の治療効果を高める仕組みを示唆している。
doi: 10.1038/nn.3181
注目の論文
-
12月20日
化学:アルゴリズムは、ウイスキーの最も強い香りと原産地を嗅ぎ分けることができるCommunications Chemistry
-
12月12日
天文学:Firefly Sparkleが初期の銀河形成に光を当てるNature
-
12月10日
Nature's 10:2024年の科学に影響を与えた10人Nature
-
11月21日
化学:光を使って永遠の化学物質を分解する新しい方法Nature
-
10月24日
古生物学:古代サンゴから共生関係の初期の証拠を発見Nature
-
8月15日
考古学:ストーンヘンジの祭壇石はスコットランドを起源としているかもしれないNature