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病原性の細孔

Nature Chemical Biology

2012年11月12日

A pathogenic pore

Nature Chemical Biology

寄生生物Acanthamoeba culbertsoniの細孔形成タンパク質「アカントアポリン」が発見されたことが、今週のNature Chemical Biology(オンライン版)で発表される。その成果は、この病原体がヒトの細胞を攻撃する仕組みを説明するとともに、膜への挿入物に関する理解をさらに一般化するものである。

病原体には、宿主の細胞膜に作用する毒素を有し、膜に細孔を形成させて細胞の内容物を漏出させ、細胞を殺すものが多い。Matthias Leippeたちは、脳炎などの疾患を引き起こす細孔形成タンパク質「アカントアポリン」が新たな方法で細孔を形成させることを明らかにした。構造上、このタンパク質は、中性pHでは電荷を持たないアミノ酸残基群を有するために不活性な二量体を形成するが、pHが低下すると正電荷を帯びるようになり、膜の内部で6分子の環を形成する性質を持つ単量体となる。この独特の構造変化により、このタンパク質、すなわちこの寄生生物は、よく知られている抗菌薬マガイニンをも上回る毒性を示す。

doi: 10.1038/nchembio.1116

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