注目の論文
インフルエンザウイルスのヘマグルチニンを阻害する
Nature Structural & Molecular Biology
2013年2月11日
Blocking influenza hemagglutinin
自然抗体は、宿主細胞膜上のシアル酸受容体と特定のインフルエンザウイルスタンパク質の間の相互作用を標的として阻害でき、それによってウイルス感染が防止されることが報告された。この知見は、抗体の作用を模倣できる治療薬を作出する方法につながりそうだ。
I Wilson、J Croweたちの研究グループは、H2N2型インフルエンザウイルス由来のタンパク質、ヘマグルチニン(HA)に結合している3種類の中和抗体のX線結晶構造を明らかにした。これらの中和抗体はいずれもHAの受容体結合部位にある空洞を塞いでいる。中和抗体の結合機序はすべて同じで、抗体はインフルエンザウイルスの全ての型で保存されている残基と接触していた。
シアル酸類似体は以前、インフルエンザウイルスの感染阻害剤候補として研究されたことがあるが、成果は上がらなかった。今回の結果は、以前に得られている結晶構造とともに、小型タンパク質あるいは小分子化合物を使った新しい感染阻害剤の開発に結びつきそうな空洞の存在を明らかにしている。
doi: 10.1038/nsmb.2500
注目の論文
-
11月21日
化学:光を使って永遠の化学物質を分解する新しい方法Nature
-
10月24日
古生物学:古代サンゴから共生関係の初期の証拠を発見Nature
-
8月15日
考古学:ストーンヘンジの祭壇石はスコットランドを起源としているかもしれないNature
-
8月13日
化学:廃水を浄化しながらアンモニアを作るNature Catalysis
-
8月8日
気候変動:グレートバリアリーフの記録的な気温Nature
-
7月11日
古代ゲノミクス:疫病に襲われた新石器時代の農民たちNature