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ロタウイルスは糖につかまる

Nature Chemical Biology

2008年12月22日

Rotoviruses stick to sugars

Nature Chemical Biology

あらゆるロタウイルス感染に宿主細胞表面の糖分子が関係していることが、Nature Chemical Biology(電子版)の掲載論文で発表される。その意外な知見は、この危険なウイルスの治療法を開発する研究に役立つことが期待される。

ロタウイルスは腸の細胞を攻撃し、幼児では重度の下痢の主要な原因となっている。多くの動物では、このウイルス感染の治療にタンパク質「シアリダーゼ」が用いられる。これは、ある種の糖分子「シアル酸」を細胞表面から切り離す酵素である。このタンパク質による治療が奏効しないロタウイルスがあることから、ロタウイルスは「シアリダーゼ感受性」系統と「シアリダーゼ非感受性」系統の2種類に分類されている。

M von Itzsteinたちは、核磁気共鳴法と細胞による検定法を用い、シアリダーゼ非感受性ウイルス系統「Wa」がシアル酸を認識しないわけではなく、それどころか、その相互作用が宿主細胞への侵入能力を高めていることを示した。この研究は、ロタウイルスの挙動の仕組みについて見直しを要求するもので、その感染に対する新たな治療法につながる可能性がある。

doi: 10.1038/nchembio.134

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