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亜鉛がイオンチャネルを刺激する

Nature Chemical Biology

2009年2月9日

Zinc irritates an ion channel

Nature Chemical Biology

亜鉛への過剰曝露による悪影響に人体がどのように反応するのかが明らかになった。既知の化学物質センサーの1つが、亜鉛毒性と関連した感覚症状(痛み等)のメディエーターとしても作用することが判明し、このことを報告する論文が、Nature Chemical Biology(電子版)に発表される。

亜鉛は、工業環境で最もよく使われる金属の1つである。亜鉛は、数百種類のタンパク質の機能に必須だが、高濃度では、細胞に対する毒性がある。吸入による過剰曝露があった場合、吐き気や胃痛、炎症といった症状が起こることがある。

今回のA Patapoutianたちの研究では、亜鉛が、最小限に活性化したTRPA1チャネルを介して、体性感覚ニューロンに入り込むメッセンジャーの役割を果たすことが明らかになった。そして亜鉛は、細胞内のいくつかの残基との相互作用によって、TRPA1チャネルをさらに活性化させる。TRPA1は、これまでの研究によって、カラシ油など数種類の刺激性植物化学物質のセンサーや超低温のセンサーに関係があるとされていた。

doi: 10.1038/nchembio.146

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