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ナノチューブはどのようにして免疫機能を抑制するのか?

Nature Nanotechnology

2009年6月15日

How nanotubes suppress the immune function?

Nature Nanotechnology

マウスがカーボンナノチューブを吸入すると、肺で細胞シグナルが活性化され、次に脾臓でシグナルが活性化され免疫機能が抑制される。Nature Nanotechnology(電子版)に掲載されるこの研究結果は、ナノチューブにさらされたマウスの免疫系応答に関する知見を提供するものであり、これらの材料を使用して作業する人々の健康問題を浮き彫りにしている。

J McDonaldらは、低濃度のナノチューブの吸入後、肺からのシグナリング分子の活性化と放出が、脾臓におけるT細胞(白血球の一種)の免疫機能に直接影響を及ぼすことを報告している。肺からのシグナリング分子は、脾臓中の特定酵素を活性化し、これによりT細胞機能不全を起こしうる他分子の放出が誘発される。この研究で検討されたナノチューブ濃度範囲において、1 mg m-3のナノチューブにさらされたマウスだけに、最高30日間、免疫機能の抑制がみられた。

正確な職業曝露レベルはまだ明らかになっていない。注目すべきことは、おおよその推定によると、同様の状況で人間が1 mg m-3のナノチューブに曝されたら、人間の肺への負担は、この研究でマウスが受けた負担の約7.5分の1であることが示されていることである。しかし、McDonaldらの示唆によると、カーボンナノチューブの生産が増え、今回の研究期間よりもはるかに長く持続するような職業曝露が増えると、この業界で働く人々にとって免疫機能不全が懸念事項となる可能性がある。

doi: 10.1038/nnano.151

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