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リボソームの反応

Nature Chemical Biology

2009年10月26日

Ribosome reactions

Nature Chemical Biology

リボソームの新しい基本的特性とリボソーム装置の新しい操作法が、2本の論文で論じられている。Nature Chemical Biology(電子版)に発表されるその論文は、基礎細胞生物学とバイオテクノロジーの面で有意義なものと考えられる。

先のノーベル化学賞で注目されたリボソームは、多数のタンパク質とRNAが組み合わされた複合体で、新しいタンパク質の生成に不可欠なものである。タンパク質新生の最初の段階の中に、基質 ― 特定のRNA分子と結合したアミノ酸 ― のリボソームへの結合がある。その後の段階には、リボソーム自体が行うわけではないものの、個々のタンパク質配列の最終的な形を作るのに必要な生化学反応も含まれる。

T Leyh、R Gonzalez、V Cornishたちは、その過程の初期段階を検討した。従来、アミノ酸が正常に利用されるためには特定のRNAと結合していることが必要であるとされてきたが、研究チームは、それが必ずしも正しいとは限らず、それどころか誤ったRNAと結合したアミノ酸でもタンパク質新生でほとんど同じように利用されていることを明らかにした。

これに対し、菅裕明たちは、リボソーム機能の最後で生じているプロセシング反応の新しい利用法を編み出した。特定の短いタンパク質配列を選択して2種類のプロセシングタンパク質で加工することにより、薬物探索で重要な環状ペプチドを作製する強力な方法が示された。今回の複合的な研究は、リボソームに関する理解の深化とともに、なお残る未解決の諸問題に光を当てるものである。

doi: 10.1038/nchembio.255

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