注目の論文

環を作り上げる

Nature Chemical Biology

2009年12月21日

Wrapping up a ring

Nature Chemical Biology

新しい酵素の機能がHIV阻害剤の探索に役立つ可能性を示唆する研究成果が、Nature Chemical Biology(電子版)に発表される。

RK-682は、HIVの感染力に必要な酵素の一種であるHIV-1プロテイナーゼを強力に阻害する。ある種の細菌が有するこの天然物には、ほかのいくつかの化合物でも知られている珍奇な「テトロン酸」環が含まれているが、その構造を作り出す経路は明らかにされていない。

P LeadlayおよびY Sunたちは、2種類の分子を2か所でつなぎ合わせてこのテトロン酸環を含む単一の化合物を生成する1つの酵素、RkDを同定した。類似の酵素が全く同じ機能をもつのかどうかを確認する必要は残されているが、この研究は、抗HIV薬の開発に新たなヒントを与えるものと考えられる。

doi: 10.1038/nchembio.285

英語の原文

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