注目の論文
糖の消化
Nature Chemical Biology
2009年12月28日
Sweet digestion
腸内細菌がどのように糖を分解しているのかを示す新たな研究成果が、Nature Chemical Biology(電子版)に発表される。これは、人間の食餌に対して重要性をもつと考えられる。
細菌が増殖するには、食物として糖が必要である。「共生」細菌ともよばれる腸内細菌は、その糖を得るために、人間の食餌および細胞の双方に含まれている長い糖の鎖(「複雑な」糖)を分解しており、その過程は人間の健康および消化に不可欠なものである。しかし、その過程でそうした機能を発揮する特定のタンパク質は、これまで明らかにされていなかった。特に、極めてありふれた複雑な糖は4種類の化学結合をもっており、細かく分解するためにはグリコシドヒドロラーゼという酵素が4種類必要である。
H Gilbert、G Daviesたちは、人間の腸内細菌の一種がもつグリコシドヒドロラーゼ23種類のうち、22種類に関してプロファイルを解析した。研究チームは、意外なほどさまざまな酵素機能を発見し、この細菌がこうした糖の複雑な構造を分解する仕組みが明らかにされた。今回の知見は、人間の消化の複雑さ、および共生細菌に関する理解の深化に資するものである。
doi: 10.1038/nchembio.278
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