注目の論文
ニチニチソウのアルカロイドを変化させる
Nature Chemical Biology
2009年1月19日
Altering alkaloids in periwinkle
Nature Chemical Biology(電子版)に掲載される論文によれば、ニチニチソウを利用して新型のアルカロイドを生み出すことが可能であるという。モルヒネや一般的な麻酔に利用される化合物など、アルカロイドには薬剤としての重要性があり、この論文の方法は、アルカロイドが生成する仕組みの理解を深化させ、今後の医薬品開発に役立つ可能性がある。
カフェインやモルヒネなどの物質をはじめとする各種アルカロイドは、自然界で植物によって生産されている。しかし、アルカロイドは化学的に複雑であるため、野生型の物質を再現したり自然界に存在しない物質を作り出したりすることは難しく、アルカロイドを生成する酵素に関する情報の不足から、その生産も困難である。今回W RunguphanとS O’Connorは、植物の毛状根培養で改変型のアルカロイドを生成させた。O’Connorらは既に、アルカロイド経路のある主要酵素に関して、利用可能な分子の幅が広い改変型を作り出している。この改変型酵素をニチニチソウのDNAに組み込むと、非天然型の分子が与えられた植物は異質なアルカロイドを産生した。
こうした異質なアルカロイドには、医薬品開発に重要な新規リード化合物としての可能性がある。
doi: 10.1038/nchembio.141
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