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がんの新たなかすがい

Nature Chemical Biology

2010年6月21日

A new cancer staple

Nature Chemical Biology

「かすがいで留められた」新たなペプチドが生存促進性タンパク質MCL-1を阻害し、プログラム細胞死「アポトーシス」を誘導する刺激に対する感受性をがん細胞に与える。Nature Chemical Biology(電子版)に掲載されるその研究成果は、細胞内のMCL-1を阻害するための重要な新ツールをもたらし、MCL-1が媒介するがんや化学療法抵抗性に対する新たな治療薬を開発するための基礎となる可能性がある。

がん細胞は、高レベルの抗アポトーシスタンパク質を発現して不死性を助長する場合が多い。特にMCL-1は、さまざまながんおよび化学療法抵抗性と関連付けられているため、重要な治療標的となっている。L Walenskyたちは、細胞膜透過性をもつ初の選択的なMCL-1阻害剤を同定し、その構造解析および機能検証の結果を発表している。さらに、このかすがい留めペプチドについては、細胞のアポトーシス経路の活性化物質TRAILに対する感受性を白血病細胞株に与えることが示された。

doi: 10.1038/nchembio.391

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