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変形性関節症を原子間力顕微鏡で調べる

Nature Nanotechnology

2009年2月2日

Tapping in on osteoarthritis

Nature Nanotechnology

Nature Nanotechnology(電子版)の論文によると、原子間力顕微鏡は、既存の診断法よりはるかに早い時期に変形性関節症の兆候を検出できるとのことである。M Stolzらによるその研究は、病院向けの低侵襲関節鏡の開発につながりうるため、より早期の治療を可能にするかもしれない。

変形性関節症は、高齢者に多くみられる消耗性の変性関節疾患であり、分子スケールで始まり、より高次の軟骨構造へと徐々に広がる。クッションとなる軟骨が擦り減ったり、関節を潤滑に保つ液が減ったりすることによって痛みが起こる。現時点では、この疾患の治療法は知られていない。

原子間力顕微鏡は、鋭いチップで物質の表面を叩いてチップの変位の変化を記録できるが、チップの変位が物質の剛性に対応する。変形性関節症のマウスと正常な高齢マウスの軟骨は時間とともに堅くなり、軟骨線維は太くなる。重要なのは、ナノサイズのチップを使うと軟骨の変化は1カ月齢と早い時期に観察されたが、通常の方法やミクロンサイズのチップでは6カ月齢まで損傷がわからなかったことである。また、この方法で、股関節や膝関節の置換手術を受けている患者から得た異なる進行度の軟骨を識別することもできた。

doi: 10.1038/nnano.2008.410

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