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多糖にPEGを付ける

Nature Chemical Biology

2010年7月26日

PEGging glycans

Nature Chemical Biology

複雑な生物学的試料中の糖の占有状態を可視化する新しい方法が、Nature Chemical Biology(電子版)に発表される。糖を標識するポリマーを利用するこの新たな質量タグ付加戦略は、心筋の生存、細胞周期の進行、およびシナプス伝達に関する詳細な情報をもたらす可能性がある。

L Hsieh-Wilsonたちは、分子量の異なるPEG(ポリエチレングリコール)鎖を糖タンパク質に付加させると、タンパク質の精製、高度な装置、および高価な放射性標識に依存することなく、細胞内のグリコシル化レベルが短時間で定量されることを発見した。さらに、この新たな戦略を応用して、リン酸化がグリコシル化に与える影響が調べられた。従来のデータはリン酸化がグリコシル化を抑制することを示唆していたが、今回の方法は、既存の方法では検出されなかった予想外の逆転関係を明らかにした。

今回の新たな質量タグ付加戦略は、グリコシル化をはじめとする翻訳後修飾の解明を進展させると考えられる。

doi: 10.1038/nchembio.412

英語の原文

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