注目の論文
化学:指紋分析のためのポリマー
Nature Communications
2014年4月30日
Chemical sciences: Polymers for fingerprint analysis
微量の水分に即座に反応して蛍光発光し、色が変化するポリマーが開発され、指紋分析法に役立つ可能性のあることを報告する論文が、今週掲載される。このポリマーを用いた検出法は、ヒトの指先の個々の汗孔を検出できるほど感度が高く、指紋の詳細なカラーコピーが得られる。
指紋を検出する手段として汗孔を用いるという発想は、法医学の発達の初期段階で提唱されていたが、低コスト、迅速かつ高い信頼度で汗孔のマップを作成する方法は、実現が難しかった。今回、Jong-Man Kimたちが開発した単純なポリマーを用いた材料は、インクジェット技術でプリントでき、指が触れると、直ちに反応して、正常に機能している汗孔と活動していない汗孔の区別がつくほどの感度があると報告されている。
指紋は、通常、指先の紋理パターンによって形成されており、高い信頼度で指紋分析を行うためには、指紋のかなりの部分が必要となる。これに対し、汗孔を用いると、たとえわずかな潜在指紋からでもパターン認識が可能となり、このことは、今回開発された方法で、これまで以上に詳細で信頼度の高い指紋分析を行える可能性を示唆している。
doi: 10.1038/ncomms4736
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