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ハイスピードカメラが高校化学の説明に役立つ

Nature Chemistry

2015年1月27日

High-speed cameras help explain high-school chemistry

Nature Chemistry

ナトリウムやカリウムなどのアルカリ金属を水に溶かすと爆発が起こる。この爆発の初期機構に関する報告が、今週号に掲載される。

アルカリ金属を水中に落とす実験は、高校の化学の授業を盛り上げるためによく行われる。生徒たちは、いったん反応のきっかけができると発熱、蒸気発生、生成した水素の発火によって激しい爆発が起こる、と教えられる。確かにその通りだが、反応のきっかけは何か、そしてなぜ爆発前の初期段階に生成した蒸気と水素ガスによって単純に表面反応が不活性化されないのかは、これまで十分理解されていなかった。

今回Pavel Jungwirthたちは、ハイスピードカメラとシミュレーションを用いて、この爆発反応を研究した。その結果、爆発的挙動の引き金となるのは、水に触れるとほぼ即座に起こるアルカリ金属からの電子放出であることが示唆された。また、電子を放出して正の電荷を帯びた金属原子は、互いに強く反発し合うため、針状のスパイクを形成して表面から水中へと急激に飛び出ることも示唆されている。このスパイク突出によって、次の金属-水反応が起こる表面の面積が増大する。このようにして反応が次々と伝わっていく様子が説明できる。

doi: 10.1038/nchem.2161

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