Primer

大うつ病性障害

Nature Reviews Disease Primers

2016年9月15日

Major depressive disorder

大うつ病性障害
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大うつ病性障害(MDD)は、抑うつ気分、興味の減退、認知機能の障害ならびに睡眠障害や食欲障害などの自律神経症状を特徴とする消耗性疾患である。女性のMDDの発症率は男性の約2倍であり、生涯に6人に1人が罹患する。MDDの原因は多因子的であり、その遺伝率は約35%と推定されている。これ以外にも、小児期における性的、肉体的あるいは精神的虐待のような環境因子がMDDの発症リスクと深く関連している。この疾患のあらゆる側面を説明する発症機構はまだ明らかになっていない。一方でMDDは、特に海馬などの脳領域の容積変化ならびに認知制御ネットワークや感情性・顕著性ネットワークのような脳回路の機能変化とも関連している。さらに、MDDでは視床下部-下垂体-副腎系などの主要な神経生物学的ストレス応答システムも障害される。治療の中心は心理療法および薬物療法である。増強治療または併用治療のいずれにも反応しない治療抵抗性患者には、電気けいれん療法が最良の経験的エビデンスを有する治療法として用いられる。このPrimerではMDDの疫学、病因、病態生理学、診断および治療に関する最新のエビデンスについて概説する。

PrimeView
このPrimeViewでは抑うつ気分、興味の減退、認知機能の障害および自律神経症状が持続する精神疾患である大うつ病性障害について取りまとめる。
本Primerの図解サマリー

doi: 10.1038/nrdp.2016.65

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