注目の論文
【地球科学】広帯域電気通信網を利用して地質断層を発見する
Nature Communications
2018年7月4日
Earth sciences: Finding faults using broadband
光ファイバーケーブルを用いて地震信号を検出し、地質断層の画像が得られたことを報告する論文が、今週掲載される。この新知見は、断層の発見と評価に将来的に広帯域電気通信網を利用できる可能性、および地震計の代わりに光ファイバーケーブルを用いることができる可能性を実証している。
従来の地震観測網は、その運用と維持管理に数十万ドルを要すると考えられるが、地震が起きやすい地域では極めて重要視されている。これに対して、電気通信に用いる光ファイバーケーブルが、地震活動を監視する低コストな方法として提案されている。
今回、Philippe Joussetたちの研究グループは、アイスランドで、光ファイバーケーブルをセンサー網として用い、自然地震波と人工地震波を記録する実験を設定した。このセンサー網は、地震波が光ファイバーケーブルを通過する際にケーブルの長さに生じる非常に小さな変化を測定して、そのひずみを定量する。その結果、光ファイバーケーブルによって地震信号が記録されるだけでなく、その周囲の断層や地中深くに存在するその他の地質構造を詳しく解像できることが分かった。
光ファイバー電気通信網は、地震危険度のモニタリングに利用できる可能性があるが、そのためには、この方法のさらなる進歩が必要な点にも留意しなければならない、とJoussetたちは指摘している。
doi: 10.1038/s41467-018-04860-y
注目の論文
-
1月17日
進化:初期の人類は100万年以上前に過酷な砂漠の条件に適応したCommunications Earth & Environment
-
1月16日
人類学:鉄器時代のブリテンにおけるケルトの「ガールパワー」Nature
-
1月16日
環境:ノルドストリーム海底パイプラインの漏れによるメタン排出量の調査Nature
-
1月9日
古生物学:パンクとエモの化石が軟体動物進化の理解を揺るがすNature
-
1月9日
生物多様性:淡水生物の約4分の1が絶滅の危機に瀕しているNature
-
1月2日
地質学:イエローストーンの火山活動は北東方向に移動しているかもしれないNature