注目の論文
【地球科学】英国のシェールガス埋蔵量は従来の予想を下回るかもしれない
Nature Communications
2019年8月21日
Geoscience: UK shale gas reserves may be lower than previously thought
シェールガスの埋蔵量予測に利用できる方法を発表する論文が、今週掲載される。この方法を使って、英国のボーランド・シェール層全体に当てはめると、ガス埋蔵量は、現在の英国の消費量の10年分に満たないという予測結果になった。
シェールガス埋蔵量の推定は、シェールガス生産がまだ始まっておらず、輸入天然ガスへの依存度が高まっている国家(その一例が英国)のエネルギー政策の立案に役立つ。ボーランド・シェール層全体のガス埋蔵量に関する先行研究によれば、その経済可採埋蔵量を英国の現在の消費量で除した可採年数は約50年になるとされた。これに対しては、この埋蔵量の計算に重大な過大評価があったとする見解が発表されている。
今回の研究でColin Snapeたちの研究グループは、新しい熱分解手順を開発して、これが、地質学的盆地でのシェールガスの生成をシミュレートする最も適切な実験的状態であることを実証した。これによりSnapeたちは、実験結果から推定されたシェールガス埋蔵量と最近発表された現場で採取したコア試料の測定結果から推定された埋蔵量を比較できた。Snapeたちは、英国の主要なシェール層のガス埋蔵量が、これまで考えられていたよりも1桁少ないという見解を示している。
シェールガス埋蔵量の推定をさらに精緻化するためには、今後の研究の積み重ねが必要とされる。
doi: 10.1038/s41467-019-11653-4
注目の論文
-
11月21日
天文学:近くの恒星を周回する若いトランジット惑星が発見されるNature
-
11月21日
気候:20世紀の海水温を再考するNature
-
11月20日
生態学:リュウキュウアオイが太陽光を共有するNature Communications
-
11月19日
気候変動:パリ協定を達成するために、CO2の受動的吸収を計算から分離するNature
-
11月18日
惑星科学:嫦娥6号のサンプルが裏側の月火山活動の年代を特定Nature
-
11月13日
地球科学:2022年のマウナロア火山の噴火を調査するNature Communications