注目の論文
惑星科学:地球の準衛星「カモ・オアレワ」は月の物質でできているかもしれない
Communications Earth & Environment
2021年11月12日
Planetary science: Earth’s quasi-satellite Kamo’oalewa could be made of Moon material
地球の準衛星の1つである「カモ・オアレワ」は、月に似た物質で構成されており、遠い昔に天体が月に衝突した際に形成されたと考えられることを報告する論文が、Communications Earth & Environment に掲載される。
準衛星とは、地球の近くにとどまりながら太陽を周回する小天体のことであり、地球の近くにとどまっているにもかかわらず、地球から観測することが難しく、準衛星の起源と組成についてはほとんど分かっていない。
今回、Benjamin Sharkeyたちは、大型双眼望遠鏡とローウェルディスカバリー望遠鏡を用いて、カモ・オアレワからの反射光を調べた。その結果、この反射光は、赤の反射スペクトルを示し、月の表面にある鉱物の反射スペクトルと非常によく似ていることが分かった。この知見は、カモ・オアレワの周回軌道の評価と相まって、カモ・オアレワが地球-月系の一部として発生した可能性が最も高いことを示唆している。おそらくは、衝突事象に由来する残骸か、今よりも大きかった天体が地球と月に接近した際に重力によって破壊されたものと考えられる。今回の知見は、地球の準衛星集団の形成に関する希少な手掛かりになる。
doi: 10.1038/s43247-021-00303-7
注目の論文
-
7月18日
疫学:欧州における鳥インフルエンザ発生の主な予測因子が特定されるScientific Reports
-
7月17日
惑星科学:惑星系の誕生の瞬間をとらえるNature
-
7月17日
古生物学:獲物に忍び寄るための古代爬虫類の特殊なヒレNature
-
7月10日
環境:大西洋全域で高濃度のナノプラスチック粒子が検出されるNature
-
7月10日
気候変動:クジラの糞が温暖化に関連する有毒藻類ブルームの大発生を記録するNature
-
7月10日
ゲノミクス:タンパク質は古代のエナメル質に保存されているNature