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生態学:爬虫類の絶滅リスクの評価

Nature

2022年4月28日

Ecology: Assessing the risk of reptile extinctions

1万を超える爬虫類種の21%以上が絶滅の危機に瀕していることが、全球的評価によって示唆された。この知見について報告する論文が、Nature に掲載される。今回の知見は、一部の爬虫類(ワニ類とカメ類の多くの種を含む)について、絶滅を防ぐための保全活動が緊急に必要なことを示している。

包括的な絶滅リスク評価は、鳥類、哺乳類、両生類について実施されているが、爬虫類については実施されていない。爬虫類を保全する戦略の策定においては、これまでのところ、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリスト基準と他の動物の分布状況に依存して、政策と優先度に関する情報を得ている。

今回、Bruce Youngたちは、IUCNのレッドリスト基準を爬虫類に適用して、爬虫類の絶滅リスクを全球的に調べた。その結果、評価対象の1万196種のうち、少なくとも1829種(21%)が絶滅の危機に瀕している(「危急」、「危機」、「深刻な危機」に分類されている)ことが判明した。最も絶滅リスクが高い爬虫類種には、ワニ類とカメ類が含まれており、評価対象のワニ類の約57.9%とカメ類の50.0%が絶滅の危機に瀕していると評価された。Youngたちは、気候変動がもたらすリスクは不確実なことを認めながらも、農業、森林伐採、都市開発、侵入種などの要因を爬虫類の絶滅危機のドライバーとして示している。これまでの予測では、乾燥環境(爬虫類が高度に多様な環境)にある爬虫類の絶滅リスクが最も大きいとされたが、Youngたちは、森林に生息する爬虫類種の方が絶滅の危機が大きく、その一因は、森林環境で特定の脅威への曝露が大きいことによるのかもしれないことを明らかにした。

Youngたちは、爬虫類が直面しているリスクの多くが、他の動物群が直面しているリスクと類似していることを強調し、これらの動物群を保護するための保全活動(生息地の回復や侵入種の防除を含む)が、爬虫類にも利益をもたらしてきた可能性を示唆している。ただし、Youngたちは、一部の爬虫類については、絶滅を防ぐために緊急の保全活動が必要だと注意を喚起している。

doi: 10.1038/s41586-022-04664-7

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