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惑星科学:岩石質の系外惑星「かに座55番星e」の大気の特徴を解明する

Nature

2024年5月9日

Planetary science: Characterizing the atmosphere of the rocky exoplanet 55 Cancri e

Nature

地球から約41光年離れた位置にある岩石質の系外惑星「かに座55番星e」には、厚い大気が存在している可能性があることを報告する論文が、Natureに掲載される。ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)の観測結果から、この系外惑星を取り囲む複数種のガスからなる大気層の存在が示された。これまでに実施された複数の岩石質の惑星の観測では、大気が存在すること、あるいはわずかな大気が存在することを示す証拠は見つかっていなかった。

太陽系外惑星であるかに座55番星eは、いわゆるスーパーアース(巨大地球型惑星)であり、半径は地球の約2倍、質量は地球の8.8倍で、太陽よりも質量の小さい恒星の周りを公転している。これまでの観測で、この岩石質の惑星には大気が存在する可能性が高いことが示唆されていたが、この大気の範囲や組成を決定することは困難だった。

今回、Renyu Huらは、かに座55番星eの性質を調べるため、JWSTによって観測された2回の二次食(惑星が恒星の背後を通過する現象)を分析した。かに座55番星eの熱放射スペクトルは、この惑星を取り囲む一酸化炭素と二酸化炭素に富んだ不安定な大気の存在を示していた。Huらは、この大気がかに座55番星eのマグマオーシャンによって維持されているという考えを示している。また、Huらは、今回の観測結果には別の説明の仕方があるかもしれないと指摘した上で、この大気について解明を進め、それによってかに座55番星eについての新たな情報を得るためには、さらなる観測を行う必要があると推奨している。

doi: 10.1038/s41586-024-07432-x

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