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気候変動:今後20年間の極端な気温と降雨のモデル化

Nature Geoscience

2024年9月10日

Climate change: Modelling extreme temperature and rainfall over the next two decades

高排出シナリオのもとでは、今後20年間で、世界人口の70%が極端な気温と降雨の急激な変化率を経験する可能性を示すモデリング研究が、Nature Geoscienceに掲載される。温室効果ガス排出を削減するための強力な緩和策(SSP1-2.6SSP = Shared Socio-Economic Pathway〔共通社会経済経路〕)が実施された場合、この割合は世界人口の20%まで低下すると著者らは予測している。

現在進行中の気候温暖化は、極端気象に影響を及ぼしており、多くの地域で今後、より激しい熱波や降雨が発生すると予想されている。これまでの研究では、極端気象の変化の大きさの予測に焦点が当てられており、変化率についてはあまり注目されてこなかった。しかし、極端気象の変化率を理解することは重要であり、その影響は社会が変化する状況に適応できるかどうかに左右されるからである。

Carley Ilesらは、大規模な気候モデルシミュレーションのセットを用いて、今後20年間の極端な気温と降雨において予測される変化率を調査した。著者らは、高排出シナリオ(SSP5-8.5)の下では、熱帯と亜熱帯の大部分(世界人口の70%を含む)は、今後20年間で極端な気温と降雨の変化率が高くなると予測している。温室効果ガスの排出を大幅に削減する強力な排出緩和シナリオ(SSP1-2.6)の下では、このような傾向を経験する世界人口の割合は20%に減少すると、研究者らは推定している。Ilesらは、世界のほとんどの地域で、産業革命以前には考えられなかったような気温変化の傾向が見られるだろうと指摘している。北半球の高緯度地域、アジア南部と東部、およびアフリカの赤道域では、降水の急激な変化も起こると予測されている。

著者らは、この結果はモデリングに基づくものであるが、今後20年間の気候変動がもたらす潜在的なリスクを抑制するためには、継続的な緩和策と適切な適応策が必要であることを示していると結論づけている。

Iles, C.E., Samset, B.H., Sandstad, M. et al. Strong regional trends in extreme weather over the next two decades under high- and low-emissions pathways. Nat. Geosci. (2024). https://doi.org/10.1038/s41561-024-01511-4

doi: 10.1038/s41561-024-01511-4

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