注目の論文
海面下の海洋温暖化による氷河の加速
Nature Geoscience
2008年9月29日
Glacier acceleration through subsurface ocean warming
グリーンランド最大の氷河の流れの1つであるJakobshavn Isbraeが1997年に急に加速したことは、その下の海洋の温度が上昇したことが原因だった、とNature Geoscience(電子版)に報告される。その研究によれば、海洋の温度はこれまで考えられていたよりも氷河の流れにとって重要らしい。したがって、他の氷河の流れの気候変動に対する将来の急激な力学的応答を予測するためには、地域的な海洋力学を詳細に知ることが必要となる。
D Hollandらは、1997年にグリーンランド西岸全体に沿って海面下の海洋温度が急激に上昇したことを示す水路測量データを提示している。アイスランド近傍のイルミンガー海から流れてきた比較的温度の高い水が到達したことで、氷河の速度が増大する引き金となった。このような海洋の変化は、北大西洋地域の大気循環の変化にまでたどれるということである。
doi: 10.1038/ngeo316
注目の論文
-
1月17日
進化:初期の人類は100万年以上前に過酷な砂漠の条件に適応したCommunications Earth & Environment
-
1月16日
人類学:鉄器時代のブリテンにおけるケルトの「ガールパワー」Nature
-
1月16日
環境:ノルドストリーム海底パイプラインの漏れによるメタン排出量の調査Nature
-
1月9日
古生物学:パンクとエモの化石が軟体動物進化の理解を揺るがすNature
-
1月9日
生物多様性:淡水生物の約4分の1が絶滅の危機に瀕しているNature
-
1月2日
地質学:イエローストーンの火山活動は北東方向に移動しているかもしれないNature