注目の論文
氷河深層水の流れを測る
Nature Geoscience
2008年6月16日
Measuring glacial deep-water flow
2万年前の最終氷期極大期の間、北大西洋の表層水は深海へと沈み込み、今日と同程度の速さで海底に沿って南に流れていった。Nature Geoscience(電子版)に発表される新しい研究によれば、このような逆転する循環の強さが間欠的に減少したことは、急激な気候変動事件と関連していたらしい。
S Praetoriusらは、堆積物の粒径と海底に生息する微生物中の炭素同位体を解析して、過去2万5,000年間の北大西洋深層および中層水の流れの強度変動を評価した。その結果、流れの強度は周期的に減少しており、特に氷河期から間氷期へ変化するときに減少することがわかった。このような減少は、新ドリアス寒冷逆転期などの北半球の寒冷期と関連があった。研究チームは、流れの減少は8,200年前の最後の氷河流出とも関連があった可能性があることを発見した。
著者らは、底層水の流れ強度の減少は北大西洋の逆転循環が弱くなった急激な気候変動事件と関連があると示唆している。
doi: 10.1038/ngeo227
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