注目の論文
鉛の大気
Nature Geoscience
2009年4月20日
Lead atmosphere
鉛を含んだエアロゾルは大気中の氷形成を極めて効率よく促進させる、とNature Geoscience(電子版)に発表される研究が示している。この発見は、前世紀に無鉛燃料へと転換される前に大気中に存在した大量の鉛が与える影響について見通しを与えてくれる。
D Cziczoらは、人工雲中で鉛が氷結晶を生成させる能力について調べた。彼らは、形成された氷のほぼ半分が鉛粒子によって生成されたことを発見した。さらに、大気中の氷の残滓を分析した結果、氷を形成する粒子の1/3は鉛を含んでいることがわかったが、これは自然の条件下でも鉛が氷形成の引き金となっていることを示唆している。彼らは、もし鉛が氷を生成させる粒子すべてに存在するとしたら、氷の生成が増加し、より多くの太陽光が宇宙空間に反射されて戻ってしまう、と見積もっている。
著者らは、産業革命後の鉛粒子の放出は、温室効果ガスが原因である温暖化の一部を相殺している可能性がある、と示唆している。
doi: 10.1038/ngeo499
注目の論文
-
2月19日
生態学:深海の生態系を調査するNature Communications
-
2月13日
動物の行動:カメは磁気地図が食べ物に導くと踊るNature
-
2月11日
地球科学:地球の内核の変化を検出Nature Geoscience
-
2月11日
気候変動:2024年の気温がパリ協定の目標に与える影響の評価Nature Climate Change
-
2月6日
遺伝学:古代のゲノムがヤムナ文化の起源の手がかりとなるNature
-
2月5日
惑星科学:月のグランドキャニオンの形成Nature Communications