注目の論文
地下のプレートの跡をたどる
Nature Geoscience
2008年5月12日
Tracking plates in the subsurface
複雑なテクトニクス的状態にある日本列島中央部では、2つの海洋プレートが重なり合ってマントルへと沈み込んでおり、その結果、流体の放出とマントルの融解および火山活動が生じている。Nature Geoscience(電子版)に発表される研究は、全体の流体収支に対するそれぞれのプレートの相対的寄与を定量化して地下のプレートの配置を明らかにしている。
中村仁美らは、日本列島中央部で得られた年代の若い火山岩を解析し、フィリピン海プレートと太平洋プレートが沈み込むときに放出した流体の化学的徴候を決定した。その結果、それぞれのプレートからの流体の寄与は化学的には明瞭で、プレートが重なっていても、フィリピン海プレートはその下の太平洋プレートからの流体の放出を妨げていないようにみえることがわかった。
データは、プレート由来の流体の化学的徴候から沈み込むプレートの形を理解して、そのような状態での地震活動を明らかに出来ることを示唆している。
doi: 10.1038/ngeo200
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