注目の論文
大量絶滅が支配する貝殻
Nature Geoscience
2008年7月12日
Shells ruled by mass extinctions
サンゴや軟体動物などの海洋石灰質生物が地質学的時間を通じて骨格を形成する過程は、海洋の化学的性質が全球で変化することではなく、大量絶滅からの回復によって支配されている。これまでの研究は、海洋のマグネシウム含有量変化が生物の骨格を形成するために用いる鉱物を支配していることを示唆していた。
海洋の石灰化生物は、その生物の生理機能に応じて、アラゴナイトかカルサイトの炭酸塩カルシウムの殻を分泌する。現在の海洋では、アラゴナイトが大勢を占め、カルサイトを分泌する生物は20%以下である。
Nature Geoscience(電子版)でW Kiesslingらは、大量の古生物データベースを用いて、この関係を過去5億年にわたって検証した。その結果、カルサイト分泌生物の割合は、海洋の化学的性質ではなく、大量絶滅とその回復期間と強い関連があることが分かった。彼等は、海洋石灰化生物群の進化の運命は、海洋の化学的性質が周期的に変化することではなく、大量絶滅から選択的に回復することに強く依存していると示唆している。
doi: 10.1038/ngeo251
注目の論文
-
11月13日
地球科学:2022年のマウナロア火山の噴火を調査するNature Communications
-
11月12日
気候変動:南極の氷が人為的な温暖化が1.5℃の温暖化の限界に近づいていることを示唆しているNature Geoscience
-
11月12日
惑星科学:ボイジャー2号が天王星をフライバイしたのは太陽の異常現象の最中だったNature Astronomy
-
11月8日
気候変動:プライベート航空による二酸化炭素排出量の大幅な増加Communications Earth & Environment
-
11月7日
地球科学:インドプレートとユーラシアプレートの収束の加速を説明するNature
-
10月25日
保護:深刻な絶滅の危機に瀕するスマトラトラに対してより大きな保護が必要Scientific Reports