注目の論文
北極海氷域の反射率の変化
Nature Climate Change
2013年8月5日
Reflecting on ice
夏の終わりの北極海氷域のアルベド(表面反射率)が低下傾向を示していることが明らかになった。海氷域のアルベドは、気候モデルによる海氷域面積の予測における重大な変動要因であるため、今回の研究は、この予測を改善するうえで重要な意味をもつ可能性がある。
今回、Aku Riihelaたちは、最近の観測衛星で得られたアルベドのデータセットを用いて、過去30年間(1982~2009年)の北極海氷域での表面変化を調べた。研究対象となったのが、夏季(5~8月)の北極海の開水域と海氷域で、5月の海氷域を除くすべての場合にアルベドの著しい低下傾向が見られ、8月の低下傾向が最も顕著だった。こうしたアルベド低下の原因は、夏季における海氷減少の加速であり、このことは、海氷密接度、地表面気温、夏の融解開始からの経過期間の組合せによって説明できる。また、Riihelaたちは、8月に残った海氷のアルベドも低下していることを指摘している。
doi: 10.1038/nclimate1963
注目の論文
-
9月17日
気候変動:温暖化が熱帯地域の土壌からの二酸化炭素排出を増加させるNature Communications
-
9月12日
環境:アマゾン先住民の領域が人間の健康に恩恵をもたらすCommunications Earth & Environment
-
9月11日
惑星科学:火星の泥岩に残る特徴が古代の環境条件を解明する手がかりとなるNature
-
9月11日
惑星科学:地球近傍小惑星リュウグウの母天体には長い流体の歴史が存在するNature
-
9月11日
環境:2023年のカナダ山火事の長期的な影響を評価するNature
-
9月11日
気候変動:主要な炭素排出源が熱波の強度と発生確率に影響を及ぼしているNature