注目の論文
自然災害の軽減
Nature Geoscience
2008年7月21日
Mitigating natural disasters
最近中国で起きた四川地震の近くの山脈地帯の地形を解析することで、破滅的な被害のあった地域のすぐ北にあるHuya断層周辺は将来の地震の危険度が上がった地域であることがわかった、とNature Geoscience(電子版)に発表されるCommentaryが示している。ミャンマーの熱帯サイクロンに関する関連した解説は、バングラディシュに導入されたものがモデルとなる、防災計画と連携させた改良された地域的な予測システムが、インド洋地域の熱帯サイクロンによる将来の被害を軽減させる可能性があることを示している。
E Kirbyらは、地形解析(地形がどのようにテクトニクス的変形に応答するかを定量化するもの)が人里離れて、解析が進んでいない地域の地震被害を評価するために、比較的安価で効果的な手段を提供すると論じている。そのような解析の価値は、大きな被害をもたらした2008年5月12日の中国四川地震が、過去に岩盤の隆起速度が大きい地域として示されていたところで起きたことにより、明らかになった。
P Websterは発展途上国では、通信および輸送基盤に限界があることから、災害警報を発する前に余裕をもたせる必要があることを論じている。彼は、現在の地域的なサイクロン予報を補足するために、高潮予測を行う必要があることも示している。これはナルギス・サイクロンの被害の大部分は、サイクロン自体の通過によるものではなく、高潮による氾濫によるものだったからである。
これらの研究は、自然災害の危険がある地域では、そのために準備をすることが重要であることを強調している。
doi: 10.1038/ngeo265
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