注目の論文

空気が大地を動かすわけ

Nature Geoscience

2009年11月2日

How air can move the earth

Nature Geoscience

大気中の潮汐は(海洋潮汐とほぼ同じように働いて)、進行中の地滑りの間欠的な動きの引き金になりうる。Nature Geoscience(電子版)に発表される研究によると、米国コロラド州のスラムガリオン峠近くで起きた間欠的な地滑りは、1日のうちで大気潮汐が低くなったときに起きる傾向があることがわかった。

W Schulzらは、9か月にわたり地滑りの滑り速度を観測した時間値と、同じ程度の頻度で行われた地域的な大気圧の観測とを比較した。その結果、両者の時系列に顕著な相関があることがわかった。この効果は、大気圧が低いときに、大気と土壌中の水分子が上方向へ動いて、通常は地滑りをその場所で保持させる摩擦を減少させることで生じる可能性がある。

Schulzらは、大気圧が、地震や火山噴火、およぼ氷河の動きなど、面が滑ることを含むほかの地質現象の引き金となりうると示唆している。

doi: 10.1038/ngeo659

英語の原文

注目の論文

「注目の論文」一覧へ戻る

advertisement
プライバシーマーク制度