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北極の地中における発熱

Nature Climate Change

2015年4月7日

Arctic heating from within

Nature Climate Change

北極の土壌微生物が生み出す熱が永久凍土の融解と大気中への炭素の排出を促進している可能性についての報告が、今週掲載される。

気温が全球的に上昇し、永久凍土が融解しているため、土壌中の有機物質の分解が加速することが予測されているが、この分解によって熱が発生する過程については十分に解明されていない。

今回、Bo Elberlingたちは、グリーンランドの6地点で採取された21点の天然の有機質の永久凍土試料における微生物による熱発生を定量化し、微生物活動の活発化によって土壌分解速度に影響を与えるほどの熱が発生しているかについて調べた。Elberlingたちのモデルシミュレーションでは、土壌温度と炭素の分解の間にフィードバックループが生じており、これにより、2012年から2100年までの間に永久凍土の融解速度と微生物による熱発生速度が加速することが示された。

また、Elberlingたちは同様のプロセスによって、永久凍土に埋没している考古学上の特徴(有機質の貝塚)に保存された北極での初期人類の活動の証拠が失われてしまう可能性のあることも明らかにした。

doi: 10.1038/nclimate2590

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