注目の論文
小さいが強力なフィヨルドは炭素吸収のホットスポットである
Nature Geoscience
2015年5月5日
Small and mighty fjords are carbon sink hotspots
フィヨルドは全球上で主要な炭素隔離の場所となるという報告が、今週のオンライン版に掲載される。これまでの研究では、個別のフィヨルドの堆積物に速い速度で炭素が埋設されることが明らかになっていたが、フィヨルドは世界の海洋の一部を覆っているにすぎないため、全球炭素埋設に対する寄与は小さいと考えられてきた。
フィヨルドは氷河が後退した後に残された、切り立った崖を持つ海の入り江である。世界中で高緯度地方の海岸沿いに見られ、海岸の山地の急速な侵食による大量の堆積物を受け入れている。また、周りの海洋よりも深くなる傾向があり、陸地表面から輸送された堆積物と陸上の炭素を効率良く捕獲し、急速な堆積によって炭素が鉱物化することを妨げている。
Richard Smithたちは、世界中のほとんど全てのフィヨルドから得られた堆積物中の炭素測定値と河川堆積物輸送速度の見積もりを集めた。彼らの分析は、フィヨルドは世界中の海洋表面の0.1%を占めているにすぎないが、毎年海洋堆積物に埋設される炭素の11%に相当することを示している。
関連するNews&Viewsの記事でRichard Keilは、フィヨルド堆積物中の炭素蓄積速度は、「他の海洋システムよりも少なくとも5倍大きく、これによりフィヨルドは有機炭素埋設に対する海洋のホットスポットとなっている」と書いている。
doi: 10.1038/ngeo2421
注目の論文
-
12月19日
天文学:月の年齢はより古いNature
-
12月19日
気候変動:南極の海氷減少が嵐の発生を促すNature
-
12月17日
惑星科学:土星の環が若々しい外観を保っている理由Nature Geoscience
-
12月12日
天文学:Firefly Sparkleが初期の銀河形成に光を当てるNature
-
12月11日
気候変動:世界的な観光産業による二酸化炭素排出量は増加し、不平等であるNature Communications
-
12月10日
Nature's 10:2024年の科学に影響を与えた10人Nature