『Nature Chemistry』の創刊
2008年3月31日
ネイチャー・パブリッシング・グループ(NPG)は、2009年に『Nature Chemistry』を創刊する予定で、現在、editor-in-chief(編集長)を募集しています。近年の物理科学系ジャーナルでの成功を受けて、NPGは、化学の分野へ重要な一歩を踏み出します。
過去5年間にNPGは、Nature ブランドの物理科学系ジャーナルの種類を増やしてきました。この9月で創刊5周年を迎える『Nature Materials』は、すべての競合誌を凌駕し、材料科学とそれに関連する物理科学のジャーナルとしては、最も被引用数が多く、2006年のインパクトファクターは19.194でした。『Nature Physics』も、2005年10月の創刊後、まもなく頂点を極めました。初年度のインパクトファクターは12.040で、2位のライバル誌を大きく引き離して、物理学分野におけるナンバーワンの一次研究論文ジャーナルとなったのです。
『Nature Chemical Biology』 は、NPGにとって化学系出版物への初めての本格進出でした。掲載される数多くの論文は、化学と生命科学の研究者からの投稿です。 2005年6月に創刊された同誌は、化学と生物学の相互領域を取り扱う一次研究論文の中心的な地位を確立しました。このことは、年初に発表された初年度イ ンパクトファクター12.409が証明しています。同誌は、生物化学系【「related chemical science」は文意から生物化学を意味していると考えられますが、ご一考をお願いします。】の分野で最高の一次研究論文ジャーナルとなり、他誌を確実 にリードしています。
『Nature Nanotechnology』と『Nature Materials』にも相当数の化学系論文が掲載されています。NPG各誌での化学系論文の掲載数は、過去5年間で3倍になりました。『Nature』自体も化学系研究者である編集者を増員し、掲載する論文の選定や同誌のNews & ViewsやNewsセクションにおける化学関連記事のレポートにあたっています。
「今こそ『Nature Chemistry』 を創刊すべき時です。化学におけるNPGのポジションは、近年非常に強化されてきました。印刷版のジャーナルだけでなく、NPGの化学系編集者が運営して 人気を呼んでいるブログ『Sceptical Chymist』、化学関連のポッドキャスト、nature.comの化学関連ページなどからうかがい知ることができます。また、最近大幅に増強された NatureJobsのデータベースによって、化学者向けの求人情報を300件以上、定期的に提供しています。」デイビッド・スウィンバンクス(NPGパ ブリッシングディレクター)は、このように説明します。
『Nature Chemistry』の詳細は追って発表される予定ですが、本誌は、世界で最高レベルの研究論文だけを掲載することを常に目指すというNatureブランドのジャーナルの基本戦略を守り、強力なオンライン版のコンテンツも提供することになっています。