Nature Publishing Index 世界版では、米国優位な状況が続いていることが明らかに
2013年6月20日
本日、Nature Publishing Index(NPI)世界版が発行されました。この中で米国は、依然として科学界の超大国として君臨していることが示されています。NPI世界版の機関別ランキング上位200のうち大半が米国の研究機関です。次いで、イギリス、ドイツ、日本も高品質な科学論文を出版しており、以上4か国で確固たる地位を築いています。なお、中国が、5位のフランスのすぐ後に迫っています。NPIは、2012年に Nature 関連誌18誌に掲載された研究論文数によって国と研究機関をランク付けしたもので、比較のため、2008年から2011年のデータとともに掲載しています。
2012年の国別ランキング上位100において1位の米国は、イギリスやドイツに大きな差をつけています。また、機関別ランキング上位200においても、上位50機関のうち32が米国の機関です。ハーバード大学は、世界でトップの科学研究機関であり、2012年に Nature 関連誌に発表された論文数は368本にも及びます。この数は、中国の国全体の論文数(303)をも上回っています。また、スタンフォード大学、マサチューセッツ工科大学、米国立衛生研究所、ワシントン大学も機関別ランキングの上位10機関に名を連ねています。
NPI世界版の編集者は、イギリスについて、常に「国土の大きさを超えた健闘をしており、NPI国別ランキング2位の座を堅持している」と話しています。なお、ドイツ、日本、フランスが、NPI国別ランキングの上位5位に位置していますが、6位の中国が急速に差を縮めています。
NPI世界版編集部が「注目の国」とする5か国の1つが中国です。2012年に Nature 関連誌に掲載された論文のうち、8.5%が中国の著者の論文です。また、研究機関別ランキング上位200を見ても、2011年には3つしか入っていなかった中国から9つの研究機関が入っています。編集部は、2013年のランキングでは中国がフランスを追い越すと予測しており、「中国のさらなる進歩により、フランスが6位に下がってもおかしくない」と語っています。
その他の「注目の国」として、ブラジル、アイルランド、ケニヤ、サウジアラビアが挙げられます。現在、これらの国から Nature 関連誌に掲載される論文数は少ないものの、その数は増え続けています。アイルランドは、2008年から2012年の間に、30位から20位に順位を上げました。ブラジルも順位を7つ上げ、27位となっています。サウジアラビアは、世界でも顕著に論文数を伸ばしています。同様に、ケニヤも順位を上げ、38位につけています。
NPI世界版は、オンライン上(nature.asia/publishing-index-global)でご覧いただけます。また、Nature の6月20日号の付録として発行されています。ランキングは、2012年に掲載された論文数を基にした評価であり、傾向を示すために2008年から2011年のデータとともに掲載しています。
問い合わせ:
Nature Publishing Group
PSBU 池田三智世 (
s.ikeda@nature.com
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