Nature Index 2015: 中国が、アジア太平洋地域の高品質な科学研究を牽引
2015年3月25日
アジア太平洋(APAC)地域の科学研究は、引き続き世界トップクラスの高品質なものであることが Nature の特別企画冊子である Nature Index 2015 Asia-Pacificで明らかになりました。Nature Indexに収録されている2014年1~12月のデータによると、全世界で出版された論文のうちの4分の1以上にアジア太平洋地域が寄与しています。
APAC地域内で高品質な論文を最も多く出版している国は中国で、2014年のWFC(Weighted Fractional Count)*は6,032.51でした。これは、世界で見ても米国に次ぐ2位の数値です。APAC地域では他に、日本(3,198.73)、韓国(1,167.49)、オーストラリア(950.22)、インド(921.77)、シンガポール(520.60)、台湾(481.36)が大きな貢献をしています。
Nature Index 2015 Asia-Pacificからの抜粋(全て、WFCによる評価に基づく)
- 中国、インド、日本、マレーシア、台湾、タイ、シンガポール、韓国など多くのAPAC諸国で化学と物理科学分野の出版比率が高く、また、APAC地域を世界と比較すると、生命科学分野の出版比率が低い傾向が見られる。
- 中国は、生命科学、化学、物理科学、地球環境科学の4分野中、化学、物理科学、地球環境科学の3分野においてトップである。
- 日本は、4分野中、生命科学の分野においてトップで、同分野におけるWFCは中国を5%上回っている。
- トップ100にランクインした機関数を国別でみると、中国が42機関とトップで、日本(20機関)、韓国(14機関)、オーストラリア(9機関)、インド(7機関)、台湾(4機関)、シンガポール(3機関)、ニュージーランド(1機関)と続く。
- 日本の機関別の貢献を見ると、スーパーグローバル大学創成支援プログラムの「トップ型」に採択された13大学のうち11大学(東京大学、京都大学、大阪大学、東北大学、東京工業大学、名古屋大学、北海道大学、九州大学、筑波大学、慶應義塾大学、広島大学)が、また、「グローバル化牽引型」に採択された中では千葉大学、金沢大学、岡山大学がトップ100にランクインしている。
Nature のエグゼクティブ・エディターであるNick Campbellは次のように述べています。「中国は、増え続ける研究投資により大きな成果を挙げています。今や中国は世界をリードする高品質論文の出版国となっていることがNature Indexの分析結果から見受けられます」。
以上
Nature Indexについて
Nature Indexは、世界トップクラスの研究成果を国・機関別にプロファイリングするデータベースです。
- 研究者が自身の最高研究成果を発表したいジャーナルとして選んだ68誌を厳選収録
- 世界の国々と2万機関以上の研究プロファイルに容易にアクセス
- 最新の研究成果を報告する原著論文のみを収録
- 直近12か月分のデータ毎月更新
- クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの下で無料公開
Nature Indexの論文カウント方法
Article Count(AC):共著機関または共著国全てに対して1論文を1と数える計算方法
Fractional Count(FC):共著者の割合に応じて国や機関に論文数を割り振る計算方法
Weighted Fractional Count(WFC):世界で出版されているジャーナル総数が極めて少ない宇宙物理科学を他分野と同様にカウントすると比重が重くなりすぎるため、宇宙物理科学にのみ重み付けを行うことで標準化している。
詳細は、次の担当者までお問い合わせください。
大場 郁子
ネイチャー・パブリッシング・グループ
E:Ikuko.Oba@nature.com
※本プレスリリースの原本は英語であり、日本語は参考翻訳です。 英語プレスリリース
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