ネイチャー・パブリッシング・グループが総合科学分野を牽引し、学際的ジャーナルの出版をさらに強化
2015年6月23日
ネイチャー・パブリッシング・グループ(NPG)は、総合科学分野でのリーダーシップを確立し、オープンアクセス出版と学際的なジャーナルの刊行プログラムをますます充実させています。科学の進歩、共同研究の促進、研究コミュニティーのニーズへの対応において、オープンアクセス、学際研究、総合科学研究のすべてが不可欠だとNPGは説明しています。
トムソン・ロイター社の2014年版Journal Citation Report*によれば、NPGのジャーナル3誌が、2年連続で総合科学分野(multidisciplinary science)の上位にランキングされ、Nature が第1位、Nature Communications が第3位、Scientific Reports が第5位となりました。また、Nature Communications が初めて全ジャーナルのトップ150にランクインしました。
NPGの最高経営責任者であるSteven Inchcoombeは次のように話しています。「私たちは、科学の進歩を支援し、科学者のニーズに応えることをめざしています。とりわけ2014年版Journal Citation Reportの総合科学分野におけるNPGジャーナルの躍進、そしてNPGが持つ急成長するオープンアクセスジャーナルの卓越したな成功を喜ばしく思っています。そのいずれもが学際的研究にとって非常に有益であり、例えば人口増加に伴う地球資源の持続可能性など、私たちが直面するグローバルチャレンジについて理解を深め、適切な対処を進めるうえで今後ますます重要性を増していくことでしょう。」
さらにInchcoombeは次のように話しています。「NPGが刊行する数々の主要ジャーナルは、それぞれ独自の役割を果たしていて、研究者がこうした課題を解決できるよう支援しています。これは、弊社の卓越した編集チームと編集水準、そして、ご協力をいただいている超一流の著者、査読者、編集者の尽力の賜物です。」
インパクトファクターは、ジャーナルの引用影響力を示すもので、2014年のインパクトファクターは、2012~2013年に出版された論文の被引用数から計算されています。NPGのジャーナルは全般的に好調で、Natureブランドのジャーナル16誌がそれぞれのカテゴリーのトップを占め、とりわけNatureは、2014年においても世界で最も多く引用された科学ジャーナルとなり(被引用数617,363)、7年連続で総合科学カテゴリーのトップにランキングされました(インパクトファクター41.456)。また、学際的ジャーナルである Nature Climate Change のインパクトファクターは14.547となりました。なおNPGは、新たな学際的ジャーナル Nature Energy を2016年に創刊することをすでに発表しています。
インパクトファクターは、平均引用率を同一研究領域内の他のジャーナルと比べる際に有益ですが、その限界も指摘されており、他の指標も注目を集めています。NPGのジャーナルは、別のジャーナル指標を用いた場合も上位にランクされています。例えば、Altmetric**は、研究論文間の論文引用以外の、より一般的なソーシャルメディアでの影響力を考慮に入れた指標です。2014年のAltmetric**トップ100論文には、NPG刊行ジャーナルに掲載された論文が24編含まれており、全体のほぼ4分の1を占めていました。現在、nature.comに定期的にアクセスする利用者は月間1000万人を超え、過去2年で20%以上増えています。これは、NPGのコンテンツが科学コミュニティーにとって貴重なことを示しています。
「6か月前、NPGはコンテンツシェアリング制度を導入し、定期購読者と報道機関が科学論文を共同利用できるようになりました。それ以降、個人購読者や報道機関が共同利用する論文に対して25万回以上の全文テキストアクセスがありました。この制度によって、異なる分野間の共同研究がさらに促進されることを期待しています」とInchcoombは話を結びました。
NPGは、卓越した研究を重点的に取り扱う姿勢を堅持する一方、世界中の数多くの科学研究助成機関の後押しを受け、著者がオープンアクセスを選べるジャーナルを急速に増やしてきました。2014年にはNPGがオープンアクセスで出版した論文は全体の44%で、2015年には50%を超えました。これは大手出版社としては初めてのことです。NPGは、これからもオープンサイエンスの選択肢の適用範囲を拡大し、科学者のニーズによりよく対応できるよう全力を尽くします。
多領域を扱うオープンアクセスジャーナルとして世界有数の Nature Communications は、2014年のインパクトファクターは、前年の10.742から11.470に上昇し、2012と2013年掲載論文の被引用数は26,346となり、世界で最も引用されたジャーナル150誌に仲間入りしました。なお昨年、英国の研究情報ネットワーク(RIN)が Nature Communications に掲載された論文の統計解析を行ったところ、オープンアクセスの論文は、定期購読方式の論文よりも、3倍も多く閲覧されていることが明らかになっています。この研究ではさらに、オープンアクセス論文の引用回数は定期講読方式の論文よりも多いことも示されています。 NPGの最も急速に成長しているオープンアクセスジャーナルである Scientific Reports には、専門的根拠に基づいた科学的に妥当な原著論文が掲載されています。2014年のインパクトファクターは前年の5.078から5.578に伸び、世界で最も引用されたジャーナル500誌に初めてランクインしました。 さらに、NPGが中国で発行しているオープンアクセスジャーナル Light, Science and Applications は、2年目のインパクトファクターが14.603となり、光学(optics)カテゴリーにおいて、前年の第4位から Nature Photonics に次ぐ第2位に躍進しました。
詳細は、次の担当者までお問い合わせください。
大場 郁子
ネイチャー・パブリッシング・グループ:
E:Ikuko.Oba@nature.com
※本プレスリリースの原本は英語であり、日本語は参考翻訳です。
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