Press release

NATURE.COMに掲載された2015年研究論文の60%超はオープンアクセス

2015年10月19日

ネイチャー・パブリッシング・グループは研究論文の63%をオープンアクセスモデルで出版、著者の96%がCC BYを選択

ネイチャー・パブリッシング・グループ(NPG)では、オープンアクセス(OA)出版の勢いが増しており、今日までにnature.comで発表された2015年の原著論文の63%(約10,000万本)がOAとなりました。NPGがグループ初となる完全OAジャーナルを創刊したのは10年前ですが、今では80誌を超えるジャーナルに対してOA出版のオプションを提供しています。

2015年1月に、NPGが保有する20誌以上の完全OAジャーナルで、クリエイティブ・コモンズ表示ライセンス(CC BY)を標準としました。NPGが出版するジャーナル全般にわたって、CC BYを選択する著者の割合は劇的に高まっており、2014年の26%という数字が2015年9月には96%となりました。なお、著者の方は、要望に応じてその他のライセンス形態も選択いただけます。

2015年10月19 日~25日に開催された今年のグローバル・オープンアクセスウィークは、シュプリンガー・ネイチャーの一部となったNPGが、Nature Communications の完全OAジャーナル化を発表してから、ちょうど1年になります。

シュプリンガー・ネイチャーでオープンリサーチ部門のマネージングディレクターを務めるSam Burridgeは、次のように語っています。「長年存続している科学出版社の中でOAのコンテンツの割合が60%という大きな数字を超えた出版社は我々が初めてでしょう。我々は、1年前に Nature Communications を完全OA化したことで最高品質のオープンリサーチを出版する本拠を築きました。オープンリサーチ分野で大胆な一歩を踏み出し、革新的な展開を推し進める意思表示をしたわけです。そして我々は今も、論文著者に対し、より自由度の高いライセンスの選択を推奨し続けています」。

「我々のポートフォリオをBioMed CentralやSpringer Open、Springer Plusと結び付けることで、シュプリンガー・ネイチャーはOA論文の最大手出版社となりました。しかし、我々が望むのは、単に規模だけではありません。卓越したOA著者サービスを提供する主導的役割を果たすことです。また、オープンデータを含め『オープンリサーチ』を優先事項としているのは、イノベーション面で研究界をリードしたいと考えているからです。我々が目指すのは、現在世界が直面している課題解決のために、協力的で学際的な研究を促進するオープンアプローチが生み出す、多大で前向きな知力を広げることです」。

Nature Communications は、昨年ますます進化を遂げました。Nature Communications は今では総合科学分野*をリードするOA誌となり、Journal Citation ReportNatureScience に次ぐ第3位となりました。また、ある研究では Nature Communications で発表されたOA論文が、より多く閲読および引用されていることが明らかにされています**。Nature Communications への1か月間の投稿数は、2014年には1,600件でしたが2015年には2,000件へと増えました。

NPGは、Nature Communications のOA転換の最新ステップとして、アーカイブを含めた全ての有料購読コンテンツを、2016年1月から無料でアクセスできるようにします。2016年に Nature Communications で発表されるコンテンツは、CC BYを標準ライセンスとした完全オープンアクセスとなります。

2015年10月19日、NPGは上海の同済大学とのパートナーシップによる新OAジャーナル npj Pollution Control の創刊を発表しました。このジャーナルが目指すのは、環境汚染の防止、管理、監視および軽減を含む環境科学・工学の広範な分野における独創的な質の高い研究成果や画期的発見を発表し、複数研究分野にまたがり、世界的課題に対処することです。

NPGは、オープンアクセスウィークに実施された、米国、英国、中国、オーストラリアなど世界中の論文著者や図書館員、キャリア初期の若手研究者が関わる数多くのイベントに関与しています。そのリストは、こちらで確認できます。

以上

* 2014 Journal Citation Reports, Science Edition (Thomson Reuters, 2015)
**Scientometrics で発表された研究で、Nature Communications のOA論文の被引用回数は、非OA論文の被引用回数よりも多いことが明らかにされました。また、非OA論文が注目を集める期間が短いのに対し、OA論文は、ダウンロード総数が多いだけでなく継続的に長期間にわたってダウンロードされていることも明らかとなっています。これは、Nature Communications に発表されたResearch Information Networkによる研究を裏付けるもので、この研究では、OA論文が非OA論文と比較して3倍閲読されていることが示されています。

NPGから出版している全てのOAジャーナルはこちらからご覧いただけます。

詳細は、次の担当者までお問い合わせください。

Amy Bourke
コーポレート・コミュニケーションズ・マネージャー
ネイチャー・パブリッシング・グループ/パルグレイヴ・マクミラン
E:a.bourke@nature.com
電話:020 7843 4603 | 携帯電話: +44 (0) 7703717212

新谷 洋子
ネイチャー・パブリッシング・グループ
E:y.shintani@nature.com

※本プレスリリースの原本は英語であり、日本語は参考翻訳です。
英語プレスリリース

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