ネイチャー・リサーチがNature Sustainability創刊を発表
2016年11月2日
Nature Researchは、新しいジャーナル、Nature Sustainabilityの創刊を発表します。2018年1月に創刊するNature Sustainabilityは、「限りある世界で、人類はいかに生命を持続できるか」をめぐる重要な論文を掲載し、現代の最も切迫した問題に切り込む学術論文を発表するという、シュプリンガー・ネイチャーの長年の取り組みをさらに後押しします。
Nature Sustainabilityは2017年初めに投稿論文の受付を開始し、Nature Climate Change、Nature Energy、近日創刊のNature Human Behaviourなどのジャーナルに共通する学際的モデルを踏襲します。
編集部を率いるチーフ・エディターはMonica Contestabileです。環境経済学者として、Nature Climate Changeのシニア・エディター、WWF-UKの持続可能な消費に関する研究の責任者などを歴任した彼女は、次のようにコメントしています。「サステナビリティー(持続可能性)は、新たな研究分野として急速に発展しています。この分野からは、学術界でのサステナビリティー研究の重要性を高め、学際的な新たな連携の確立を支援しつつ、大学外のサステナビリティー研究の認知度も高めることができるジャーナルの必要性が強く訴えられていました。Nature Sustainabilityでは、サステナビリティー全般に及ぶさまざまな研究論文、その政策的側面や考えられる解決策の掲載に力を入れます。それにより、サステナビリティー研究の大きな進歩の全体像を示すことができます」
Nature Sustainabilityは、環境の劣化、自然資源の枯渇、大規模な移住、社会経済的不平等、社会基盤の障害やその相互作用など、さまざまな問題の原因と結果を理解するための研究発表の場を提供します。また、人間の営みを推進する要因、それらが環境や社会に与える影響に関する新しい研究に加え、生態系と全地球人の幸福を維持するための、技術的、社会基盤的、制度的な解決策を明らかにする応用研究も掲載します。
Nature Researchのパブリッシング・ディレクター、James Butcherは次のように述べています。「Nature Sustainabilityを、自然科学、社会科学、工学の分野から広く寄せられる研究論文や意見を発表するための場、さらには独創的で影響力が高い研究者中心のジャーナルとして創刊します。2015年に国際連合加盟193カ国により採択された『持続可能な開発目標』の実現を支援・促進する研究論文が数多く集まることを目指します。また、持続可能な未来の構築をめぐる政治的・政策的側面を掘り下げ、研究を具体的な行動や対策につなげるのも役割の1つです。従って、このジャーナルは、学術界、NGO、政策担当者にとって意味のある存在となるでしょう」
Nature Sustainabilityを含め全てのNature関連誌は、公正かつ厳格な査読プロセス、編集・制作に関する高い基準、迅速な出版、編集の独立性を特徴とします。一次研究論文に加え、Review、Commentary、Feature、Perspective、News & Viewsなどを掲載し、サステナビリティー研究分野内外の広範囲な読者のために、サステナビリティー関連問題の最新動向を分かりやすく紹介します。
Nature Sustainabilityはオンラインで提供される有料購読誌で、シュプリンガー・ネイチャー所有のポートフォリオ全体に拡大されたコンテンツ・シェアリング・サービス、SharedItの対象となります。SharedItは論文著者と購読者に、査読済み研究論文を共有できる無料閲読版リンクを提供するとともに、200以上の主要メディアおよびブログが、研究論文の無料閲読版へのリンクを張れるようにするサービスです。
ネイチャー・リサーチについて
ネイチャー・リサーチは、生命科学・物理学・化学・応用科学など多岐にわたる分野で高品質のジャーナル、オンラインデータベース、研究者を対象としたサービスなど、科学界への貢献を目的としたサービスから成るポートフォリオを提供しています。Nature(1869年創刊)は世界有数の週刊の国際科学雑誌で、ブランドの中核を成すものです。ネイチャー・リサーチはまた、定期購読用のさまざまなNature関連誌とNature Review誌、さらには、オープンアクセスの分野横断的ジャーナルである Nature Communications やメガジャーナルである Scientific Reports、その他Natureパートナージャーナルとして知られるさまざまなパートナージャーナルなどのオープンアクセス誌も提供しています。オンラインのnature.comには、1カ月当たり800万人を超えるユーザーが訪れ、Nature のニュース記事やコメント記事、そして非常に優れた科学求人サイトであるNaturejobsなどのサービスにアクセスしています。また、ネイチャー・リサーチは、オンラインおよび対面によるトレーニングや専門家による言語・編集サービスなど、さまざまな研究サービスも提供しています。
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※本プレスリリースの原本は英語であり、日本語は参考翻訳です。
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